市販薬でも副作用!いつもと違えば危険のサイン!知っておくべき部位別初期症状と国の救済制度を解説!
お薬!それは私達が生活していく上で切っても切り離せない大切なものです。
ちょっとした体調の悪化で普段の自分より気分が優れなければ、誰でもが経験していると思いますが、活動が途端に制限されてしまいます。
そんな時、わずか一錠・一包のお薬で不調だった体がみるみる改善され、劇的な変化を体現させてくれます。
今や国民病とまで言われている「花粉症」を例に考えてみましょう。
鼻水がひっきりなしに垂れ、くしゃみも数分おきに、目がゴロゴロと痒く、頭がボーッとして思考も散漫になり、耳までも痒くなることだってあります。
この状況でひとたびお薬を飲めば、これらの症状がピタッと止まりウソのように普段の生活を取り戻せます。
まさに、魔法のような存在のお薬!
手放せないお薬が、いつも持ち歩いているカバンの中に常備されている方も多いと思います。
そんな生活に欠かせないお薬には、良いことばかりではないのです。
ざっくり読むための目次
- 生活にかかせないお薬、毒になることもあるこわい一面も!
- 副作用!いつもと違えばすぐ行動
- 国の救済制度へ!市販薬でもある副作用で重篤化
- 医薬品副作用被害救済制度・生物由来製品感染等被害救済制度
- お薬の副作用!初期症状とお薬の関係を解説(重篤副作用疾患別対応マニュアルから抜粋)
- 【皮膚】 副作用の症状が主に皮膚にみられる初期症状とお薬の関係
- 【肝臓】 副作用の症状が主に肝臓にみられる初期症状とお薬の関係
- 【腎臓】 副作用の症状が主に腎臓にみられる初期症状とお薬の関係
- 【血液】 副作用の症状が主に血液にみられる初期症状とお薬の関係
- 【呼吸器】 副作用の症状が主に呼吸器にみられる初期症状とお薬の関係
- 【消化器】 副作用の症状が主に消化器にみられる初期症状とお薬の関係
- 【心臓・循環器】 副作用の症状が主に心臓・循環器にみられる初期症状とお薬の関係
- 【神経・筋骨格系】 副作用の症状が主に神経・筋骨格系にみられる初期症状とお薬の関係
- 【卵巣】 副作用の症状が主に卵巣にみられる初期症状とお薬の関係
- 【精神】 副作用の症状が主に精神にみられる初期症状とお薬の関係
- 【代謝・内分泌】 副作用の症状が主に代謝・内分泌にみられる初期症状とお薬の関係
- 【過敏症】 副作用の症状が主に過敏症としてみられる初期症状とお薬の関係
- 【口腔】 副作用の症状が主に口腔にみられる初期症状とお薬の関係
- 【骨】 副作用の症状が主に骨にみられる初期症状とお薬の関係
- 【泌尿器】 副作用の症状が主に泌尿器にみられる初期症状とお薬の関係
- 【眼】 副作用の症状が主に感覚器(眼)にみられる初期症状とお薬の関係
- 【耳】 副作用の症状が主に感覚器(耳)にみられる初期症状とお薬の関係
- 【口】 副作用の症状が主に感覚器(口)にみられる初期症状とお薬の関係
- 【手足】 副作用の症状が主に手足にみられる初期症状とお薬の関係
生活にかかせないお薬、毒になることもあるこわい一面も!
あらためて、お薬のことを考えてみましょう。
大人の体重が60kgとすると、1gにも満たないお薬の成分で不快な症状がパッと改善して、快適な暮らしがおくれるのです。
ごく微量の成分が驚きの働きをします!
なんと素晴らしい、お薬は魔法のようにカラダを改善してくれます。
しかし、我々を一瞬にして救ってくれるとても役立つお薬は、厄介な部分も時に見せるのです。
それは本来意図しない結果が出てしまうこと、お薬による副作用です。
お薬は、副作用が出ないように設計され製品開発されています。
そして添付文書には、「使用上の注意」として服用に際しての注意事項が書かれています。
また、用法・用量など守っていただきたい事柄が記載されています。
それらを全て守っても、絶対に安全とはならないのです。
意図した結果を得られるように定められた注意事項や用法・用量などしっかり行ったとしても、副作用は起きてしまうのです。
そんな副作用が出てしまった時の対応を解説していきます。
副作用!いつもと違えばすぐ行動
どんなお薬[市販薬(OTC医薬品)や医療用]でも副作用はあると考えてください。
もし、お薬を飲んで「おかしい」と感じたら、すぐ連絡です。
医師や薬剤師さんに連絡!
飲んでいたお薬を持って病院へ!
早ければ早いほど、最悪になることを止めることができます。
「もう少し様子を見てから…」「明日まで待って…」なんて考えないでください!
取り返しのつかない、重篤な症状になるまで放置しないでください。
救急車が必要な急に激しい症状が出る場合だってあります!
慌てずに、そして冷静に行動してください。
国の救済制度へ!市販薬でもある副作用で重篤化
お薬は市販薬(OTC医薬品)や医療用の関係なく、どんなものでも副作用は起きてしまいます。
不幸にも副作用が原因で、健康被害を受けてしまったら速やかに救済する公的な制度があります。(医療費や年金などの給付)
医薬品や医療機器等を適正に使用したのにもかかわらず、副作用の発現や生物由来製品での感染などが不幸にも生じた場合
「医薬品副作用被害救済制度・生物由来製品感染等被害救済制度」(再生医療等製品が平成26年11月25日に追加)
独立行政法人 医薬品医療機器総合機構が、独立行政法人医薬品医療機器総合機構法(平成14年法律第192号)の法律に基づいてなされている公的な制度です。
※上記の「適正に使用」とは、添付文書等に記載されている注意事項等を守っているということです。目的外の使用なども適正使用にあたりません。
その他に
「予防接種後健康被害救済制度」
こちらの制度は、予防接種法に基づいて予防接種をされた方が不幸にも健康被害を発生した場合に市町村により給付され救済されるものです。
※例えばインフルエンザ予防接種については、高齢者への予防接種法に基づいて行われるものがこの制度の対象になります。任意で受けた予防接種は、上記の「医薬品副作用被害救済制度・生物由来製品感染等被害救済制度」の対象となります。
また、健康被害の救済制度として
- 「公害健康被害補償制度」公害健康被害の補償等に関する法律・都道府県
- 「石綿健康被害救済制度」石綿健康被害法・独立行政法人 環境再生保全機構
- 「献血者健康被害救済制度」献血者等の健康被害の補償に関するガイドライン・日本赤十字社
が、あります。
上記の原因で健康被害が発現すれば、担当している先(独立行政法人や市町村など)にご相談ください。
医薬品副作用被害救済制度・生物由来製品感染等被害救済制度
「医薬品副作用被害救済制度」は、昭和55年5月1日の創設。
正しく医薬品〔市販薬(OTC医薬品)や医療用医薬品など〕を使ったのにもかかわらず副作用で、重篤(入院を必要とする程)な健康被害があらわれた方を迅速に救済するために公的に給付を行う制度。
注意点として、この制度を受けられない医薬品が指定されています。(抗がん剤や免疫抑制剤などの一部など)
「生物由来製品感染等被害救済制度」は、平成16年4月1日から感染等が開始される。(再生医療等製品が平成26年11月25日に追加)
健康被害者への給付は、7種類
- 「医療費」、「医療手当」:入院を必要とする程の疾病の方
- 「障害年金」、「障害児養育年金」:日常生活が著しく制限される程度以上の障害の方
- 「遺族年金」、「遺族一時金」、「葬祭料」:死亡された時
本人や遺族の方へ給付されます。
7種類の給付内容
- 「医療費」:治療に要した費用の実費補償
- 「医療手当」:治療に伴う医療費以外の費用負担に給付
- 「障害年金」:18歳以上の生活補償等に給付
- 「障害児養育年金」:18歳未満の人を養育する人に対して給付
- 「遺族年金」:生計維持者の死亡、その遺族の生活立て直し等に給付
- 「遺族一時金」:生計維持者以外の者の死亡、その遺族に対する見舞いとして給付
- 「葬祭料」:葬祭出費に給付
7種類の給付額(平成29年1月現在)
- 「医療費」:健康保険等による給付の金額を除いた自己負担分
- 「医療手当」:通院:一ヶ月のうち3日以上は35,800円となり3日未満33,800円(月額)、入院:一ヶ月のうち8日以上は35,800円となり8日未満33,800円(月額)、通院と入院:35,800円(月額)
- 「障害年金」:1級:年2,720,400円(月額226,700円)、2級:年2,175,600円(月額181,300)
- 「障害児養育年金」:1級:850,800円(月額70,900円)、2級:680,400円(月額56,700円)
- 「遺族年金」:年2,378,400円(月額198,200円)を10年間(但し、死亡された本人が障害年金を受けていた場合、その期間が7年に満たない時は10年からその期間を引いた期間分、7年以上の時は3年間となる)
- 「遺族一時金」:7,135,200円(但し、遺族年金が支給されていた場合は、当該支給額を控除した金額)
- 「葬祭料」:199,000円
注意点として、請求期限が設けられています。
- 「医療費」:5年以内(医療費の支給対象となる費用の支払いが行われた時から)
- 「医療手当」:5年以内(請求に係る医療が行われた日の属する月の翌月初日から)
- 「障害年金」、「障害児養育年金」:期限定められていない
- 「遺族年金」、「遺族一時金」、「葬祭料」:5年以内(但し、医療費、医療手当、障害年金、障害児養育年金の支給の決定があった方は、亡くなられたときから2年以内)
救済対象から外れるもの
- 適正使用でないもの(容器や添付文書に記載されている注意事項に反した使用が基本となる)
- 対象除外医薬品によるもの(抗がん剤や免疫抑制剤などの一部、人体に直接使用されない医薬品や薬理作用のない医薬品など、平成23年6月時点で125品目を指定)
- 救急救命などで通常使用量を越えて医薬品を使用、かつ、あらかじめ発生が認識されていたなどによるもの
- 法定予防接種によるもの(予防接種後健康被害救済制度の対象、任意の予防接種は当該制度の対象)
- 入院を必要とする程の疾病でないもの
- 日常生活が著しく制限される程の障害でないもの
- 請求期限が過ぎたもの
- 損害賠償責任が明白な他者がいるとき
- 請求後、医学的薬学的判定において認められなかったとき(薬事・食品衛生審議会で判定)
不支給の決定に対して、審査の申し立てができる
この判定に不服があれば、厚生労働大臣に審査を申し立てることができるのです。
平成28年4月1日から審査の申し立ての期間が、決定があった日の翌日から三ヶ月以内に変更されました。(従来の二ヶ月から延長)
不支給の理由として、平成21年度についての資料では以下のようになっています。
990件のうち、不支給の決定を受けたものは127件。(不支給約13%)
理由のその内訳
- 医薬品により発現したとは認められない:43%
- 入院を要する程度または障害の等級に該当しない:21%
- 適正目的または適正使用とは認められない:20%
- 判定不能である:13%
- 対象除外医薬品である:2%
- その他:1%
お薬の副作用!初期症状とお薬の関係を解説(重篤副作用疾患別対応マニュアルから抜粋)
【皮膚】 副作用の症状が主に皮膚にみられる初期症状とお薬の関係
まれに起きる副作用、その初期症状を知り早めに気づき、医師あるいは薬剤師にご連絡ください。
その場合、服用した医薬品の種類、服用してからどのくらい経過したかなどお伝えください。
スティーブンス・ジョンソン症候群(皮膚粘膜眼症候群)【平成18年11月厚労省】
高熱(38度以上)、目の充血、目ヤニ、まぶたの腫れ、目が開けづらい、唇や陰部のただれ、排尿・排便時の痛み、喉の痛み、皮膚の広い範囲が赤くなる、以上の症状が持続したり、急激に悪化する
多くが医薬品によるものと考えられています。
抗生物質、解熱消炎鎮痛薬、抗てんかん薬、かぜ薬などの市販薬など、何らかの医薬品で起きる場合があります。
中毒性表皮壊死症(中毒性表皮壊死融解症)【平成18年11月厚労省】
高熱(38度以上)、目の充血、唇のただれ、喉の痛み、皮膚の広い範囲が赤くなる、以上の症状が持続したり、急激に悪化する
多くが医薬品によるものと考えられています。
抗生物質、解熱消炎鎮痛薬、抗てんかん薬、かぜ薬などの市販薬など、何らかの医薬品で起きる場合があります。
薬剤性過敏症候群【平成19年6月厚労省】
皮膚の広い範囲が赤くなる、高熱(38度以上)、喉の痛み、全身がだるい、食欲が出ない、リンパ節が腫れるなど、以上の症状が持続したり、急激に悪化する
抗てんかん薬、痛風治療薬、サルファ剤、かぜ薬などの市販薬など、何らかの医薬品で起きる場合があります。
急性汎発性発疹性膿疱症【平成21年5月厚労省】
高熱(38度以上)、皮膚の広い範囲が赤くなる、赤くなった皮膚上に小さな白いブツブツ(小膿疱)が出る、全身がだるい、食欲がないなど、以上の症状が持続したり、急激に悪化する
多くが医薬品によるものと考えられています。
抗菌薬、痛風治療薬、抗てんかん薬、かぜ薬などの市販薬など、何らかの医薬品で起きる場合があります。
薬剤による接触皮膚炎【平成22年3月厚労省】
薬剤を使ったらすぐにヒリヒリする、赤くなる、痒くなり蕁麻疹が出る
また、あるときからかゆみや赤み、ブツブツ、汁などが急に出てくるなど
薬剤を塗ったり貼ったり、点眼、点鼻、消毒している場所に出て、薬が効かず悪化するとき。
【肝臓】 副作用の症状が主に肝臓にみられる初期症状とお薬の関係
まれに起きる副作用、その初期症状を知り早めに気づき、医師あるいは薬剤師にご連絡ください。
その場合、服用した医薬品の種類、服用してからどのくらい経過したかなどお伝えください。
薬物性肝障害【平成20年4月厚労省】
倦怠感、食欲不振、発熱、黄疸、発疹、吐き気・嘔吐、かゆみなど
解熱消炎鎮痛薬、抗がん剤、抗真菌薬、漢方薬など、何らかの医薬品で起きる場合があります。
【腎臓】 副作用の症状が主に腎臓にみられる初期症状とお薬の関係
まれに起きる副作用、その初期症状を知り早めに気づき、医師あるいは薬剤師にご連絡ください。
その場合、服用した医薬品の種類、服用してからどのくらい経過したかなどお伝えください。
急性腎不全【平成19年6月厚労省】
尿量が少なくなる、ほとんど尿が出ない、一時的に尿量が多くなる、発疹、むくみ、体がだるい
解熱鎮痛薬、抗生物質、抗菌薬、造影剤、抗がん剤などの医薬品で起きる場合があります。
間質性腎炎【平成19年6月厚労省】
発熱、発疹、関節の痛み、吐き気・嘔吐・下痢・腹痛などの消化器症状など
また、これらの症状が持続したり、その後にむくみ、尿量が少なくなるなど
主に抗生物質、抗結核薬、解熱消炎鎮痛薬、抗てんかん薬、消化性潰瘍薬、痛風治療薬などの医薬品で起きる場合があります。
ネフローゼ症候群【平成22年3月厚労省】
足がむくむ、尿量が少なくなる、体がだるい、排尿時の尿の泡立ちが強い、息苦しい、尿が赤い
糸球体腎炎、糖尿病、膠原病など持病により起こることが多い。
解熱鎮痛薬、抗リウマチ薬、抗生物質、インターフェロン製剤、降圧薬などの医薬品で起きる場合があります。
急性腎盂腎炎【平成23年3月厚労省】
寒気、ふるえ、発熱、脇腹や腰の痛みなど
免疫力を低下させうる医薬品で起きる場合があります。
腫瘍性崩壊症候群【平成23年3月厚労省】
尿量が減る
悪性腫瘍(がん)治療時、通常治療開始後12〜72時間以内に起きる場合があります。
腎性尿崩症【平成23年3月厚労省】
尿量の著しい増加、激しい口渇、多飲
高カリウム血症、低カリウム血症、慢性腎盂腎炎により起こる。
躁状態治療薬、抗リウマチ薬、抗HIV薬、抗菌薬、抗ウイルス薬などの医薬品で起きる場合があります。
【血液】 副作用の症状が主に血液にみられる初期症状とお薬の関係
まれに起きる副作用、その初期症状を知り早めに気づき、医師あるいは薬剤師にご連絡ください。
その場合、服用した医薬品の種類、服用してからどのくらい経過したかなどお伝えください。
再生不良性貧血【平成19年6月厚労省】
青あざができやすい、歯ぐきや鼻の粘膜からの出血、発熱、喉の痛み、皮膚や粘膜が青白く見える、疲労感、動悸、息切れ、気分が悪くなりくらっとする、血尿
何らかの医薬品で起きる場合があります。
薬剤性貧血【平成19年6月厚労省】
顔色が悪い、疲れやすい、だるい、頭が重い、動悸、息切れ
何らかの医薬品で起きる場合があります。
出血傾向【平成19年6月厚労省】
手足に点状出血、青あざができやすい、皮下出血、鼻血、過多月経、歯茎の出血
何らかの医薬品で起きる場合があります。
無顆粒球症【平成19年6月厚労省】
突発の高熱、寒気、喉の痛み
何らかの医薬品で起きる場合があります。
血小板減少症【平成19年6月厚労省】
手血、青あざができやすい、出血しやすい(歯茎の出血・鼻血・生理が止まりにくい)足に点状出
何らかの医薬品で起きる場合があります。
血栓症【平成19年6月厚労省】
手足のマヒやシビレ、しゃべりにくい、胸の痛み、呼吸困難、片方の足の急激な痛みや腫れ
何らかの医薬品で起きる場合があります。
播種性(はしゅせい)血管内凝固【平成19年6月厚労省】
青あざができやすい、鼻血、歯茎の出血、血尿、鮮血便、目(角膜)の出血なの出血症状に加えて、
意識障害、呼吸困難、動悸、息切れ、尿が出なくなる、黄疸などの臓器症状が持続あるいは急激に悪化する
がん、感染症などの悪化により起こる場合があります。
治療の過程において、何らかの医薬品で起きる場合があります。
血栓性血小板減少症紫斑病(TTP)【平成22年3月厚労省】
発熱、倦怠感、脱力感、悪心、食欲不振、青あざができる、鼻や歯茎のからの出血、尿量の減少、皮膚や白目が黄色くなる、次の症状が短時間に起こる(軽度の頭痛、めまい、ケイレン、突然自分のいる場所や名前が分からなくなる、うとうとするなど)など
何らかの医薬品で起きる場合があります。
ヘパリン起因性血小板減少症(HIT)【平成22年3月厚労省】
急に今までと違った症状として「急な呼吸困難」、「意識障害、ケイレン、運動・感覚障害」、「四肢の腫れ・疼痛・皮膚の色調の変化」などが起きたとき
また、ヘパリン皮下注射をされている方で「注射後、数日たって注射部位が赤くなってきた、押すと痛いしこりができた」場合
ヘパリン(抗凝固薬)を使っていると起きる場合があります。(腎臓透析時にもヘパリンが使用されていることがあります)
【呼吸器】 副作用の症状が主に呼吸器にみられる初期症状とお薬の関係
まれに起きる副作用、その初期症状を知り早めに気づき、医師あるいは薬剤師にご連絡ください。
その場合、服用した医薬品の種類、服用してからどのくらい経過したかなどお伝えください。
間質性肺炎【平成18年11月厚労省】
階段を登ったり少し無理をしたりすると息切れや息苦しくなる、から咳が出る、発熱など、これらの症状が急に出たり、持続したりする
主に抗がん剤、抗リウマチ薬、漢方薬(小柴胡湯など)、かぜ薬などの市販薬など、何らかの医薬品で起きる場合があります。
非ステロイド性抗炎症薬による喘息発作【平成18年11月厚労省】
息をするときゼーゼー・ヒューヒュー鳴る、息苦しい
非ステロイド性抗炎症薬(アスピリン等)あるいは解熱鎮痛薬、かぜ薬などの市販薬など、何らかの医薬品で起きる場合があります。
急性肺損傷・急性呼吸窮迫(きゅうはく)症候群(急性呼吸促迫症候群)【平成18年11月厚労省】
息が苦しい、咳・痰が出る、呼吸がはやくなる、脈がはやくなる
主に抗がん剤、抗リウマチ薬、血液製剤などでみられ、何らかの医薬品を服用、または輸血していて起きる場合があります。
肺水腫【平成21年5月厚労省】
息が苦しい、胸がゼーゼーする、咳・痰が出る、呼吸がはやくなる、脈がはやくなる
医薬品の投与後、急に起きる場合があります。
急性好酸球性肺炎【平成22年3月厚労省】
から咳、階段を登ったり少し無理をすると息切れや息苦しくなる、発熱など
抗不整脈薬、抗がん剤、降圧薬、抗リウマチ薬、造影剤、抗てんかん薬など、様々な医薬品の服用・注射後、数日から1週間で起きる場合があります。
肺胞出血【平成22年3月厚労省】
咳と一緒に血が出る、痰に血が混じる、黒い痰が出る、息切れや息苦しくなる、咳が出るなど
アスピリン、ワルファリン、抗不整脈薬、免疫抑制薬、降圧薬、抗てんかん薬、抗甲状腺薬、抗菌薬、抗リウマチ薬、抗がん剤など、何らかの医薬品で起きる場合があります。
胸膜炎・胸水貯留【平成21年5月厚労省】
息が苦しい、胸が痛い
何らかの医薬品で起きる場合があります。
【消化器】 副作用の症状が主に消化器にみられる初期症状とお薬の関係
まれに起きる副作用、その初期症状を知り早めに気づき、医師あるいは薬剤師にご連絡ください。
その場合、服用した医薬品の種類、服用してからどのくらい経過したかなどお伝えください。
麻痺性レイウス【平成20年4月厚労省】
お腹が張る、著しい便秘、腹痛、吐き気、嘔吐など、これらの症状が持続
鼻炎薬、アヘン系鎮痛薬、免疫抑制薬、抗精神病薬、鎮痙薬、頻尿・尿失禁治療薬、抗がん剤、α-グルコシダーゼ阻害薬(糖尿病治療薬)などの医薬品で起きる場合があります。
消化性潰瘍【平成20年3月厚労省】
胃のもたれ、食欲低下、胸焼け、吐き気、胃が痛い、空腹時にみぞおちが痛い、便が黒くなる、吐血など、これらの症状が持続
かぜ薬、痛み止め、解熱消炎鎮痛薬あるいは、ステロイド剤、骨粗鬆症治療薬など、何らかの医薬品で起きる場合があります。
偽膜性大腸炎【平成20年3月厚労省】
頻繁な下痢、粘性のある便、お腹が張る、腹痛、発熱、吐き気など
抗生物質を服用、または飲み終わった後数日で起きる場合があります。
急性膵炎(薬剤性膵炎)【平成21年5月厚労省】
急に胃の辺りがひどく痛む、吐き気、嘔吐
お腹の痛みはのけぞると痛み、かがむと弱まる
抗てんかん薬、免疫抑制薬、抗原虫薬(トリコモナス症治療薬)など、何らかの医薬品で起きる場合があります。
重症の下痢【平成22年3月厚労省】
便がドロ状か完全に水のようになっている、便意切迫またはしぶり腹がある、差し込むような激しい腹痛がある、トイレから離れられないほどの頻回に下痢をする、便に粘液状のものが混じっている、便に血液が混じっているなど
医薬品の下痢は、服用後すぐの急性と服用後1〜2ヶ月して起こる遅発性があるが、一般的には1〜2週間以内に起こることが多い。
抗がん剤、抗菌薬、免疫抑制薬や一部の消化器用薬は重度の下痢を引き起こすことがあるので注意が必要。何らかの医薬品で症状が継続、または指示された下痢止めを服用しても改善しない場合が起きることがあるので注意が必要。
【心臓・循環器】 副作用の症状が主に心臓・循環器にみられる初期症状とお薬の関係
まれに起きる副作用、その初期症状を知り早めに気づき、医師あるいは薬剤師にご連絡ください。
その場合、服用した医薬品の種類、服用してからどのくらい経過したかなどお伝えください。
心室頻拍【平成21年5月厚労省】
めまい、動悸、胸が痛む、胸部の不快感
また、意識不明、失神、ケイレンが起こる可能性があることを家族にあらかじめお知らせください。
何らかの医薬品、または不整脈治療薬により不整脈を悪化させたり、新たに不整脈を引き起こすことがあるので注意が必要。
うっ血性心不全【平成21年5月厚労省】
動くと息が苦しい、疲れやすい、足がむくむ、急に体重が増えた、咳とピンク色の痰
抗不整脈薬、β遮断薬、副腎皮質ステロイド薬、解熱消炎鎮痛薬(非ステロイド性抗炎症薬など)、抗がん剤などの医薬品で起きる場合があります。
【神経・筋骨格系】 副作用の症状が主に神経・筋骨格系にみられる初期症状とお薬の関係
まれに起きる副作用、その初期症状を知り早めに気づき、医師あるいは薬剤師にご連絡ください。
その場合、服用した医薬品の種類、服用してからどのくらい経過したかなどお伝えください。
薬剤性パーキンソニズム【平成18年11月厚労省】
動作が遅くなった、声が小さくなった、表情が少なくなった、歩き方がふらふらする、歩幅が狭くなった(小刻み歩行)、一歩目がでない、手が震える、止まれず走り出すことがある、手足が固い
主に一部の胃腸薬や抗精神病薬など、何らかの医薬品で起きる場合があります。
自己判断で服薬を中断したり、そのままにしないでください。
白質脳症【平成18年11月厚労省】
歩行時のふらつき、口のもつれ、物忘れ、動作緩慢など
主にカルモフール、テガフール、フルオロウラシル、メトトレキサート、シクロスポリンなどの抗がん剤、何らかの医薬品で起きる場合があります。
横紋筋融解症【平成18年11月厚労省】
手足・肩・腰・その他の筋肉が痛む、手足がしびれる、手足に力がはいらない、こわばる、全身がだるい、尿の色が赤褐色になる
主に高脂血症薬、抗生物質(ニューキノロン系)、何らかの医薬品で起きる場合があります。
末梢神経障害【平成21年5月厚労省】
手や足がピリピリとしびれる、手や足がジンジンと痛む、手や足の感覚がなくなる、手や足に力がはいらない、物がつかみづらい、歩行時につまずくことが多い、イスから立ち上がれない、階段を登れないなど
主に高脂血症薬、抗悪性腫瘍薬、抗ウイルス薬、抗結核薬など、何らかの医薬品で起きる場合があります。
ギラン・バレー症候群【平成21年5月厚労省】
両側の手や足に力がはいらない、歩行時につまずく、階段を登れない、物がつかみづらい、手や足の感覚が鈍くなる、顔の筋肉がマヒする、食べ物が飲み込みにくい、呼吸が苦しいなど
主にインフルエンザやポリオなどのワクチン、インターフェロン製剤、ペニシラミン、ニューキノロン系抗菌薬、抗ウイルス薬、抗がん剤など、何らかの医薬品で起きる場合があります。
ジスキネジア【平成21年5月厚労省】
繰り返し唇をすぼめる、舌を左右に動かす、口をもぐもぐさせる、口を突き出す、歯をくいしばる、目を閉じるとなかなか開かずシワを寄せている、勝手に手が動いてしまう、足が動いてしまって歩きにくい、手に力が入って抜けない、足が突っ張って歩きにくい
抗精神病薬パーキンソン病治療薬などの医薬品で起きる場合があります。
自己判断で服薬を中断しないでください。
痙攣・てんかん【平成21年5月厚労省】
顔や手足の筋肉がピクつく、一時的にボーとして意識が薄れる、手足の筋肉が硬直しガクガクと震える
解熱消炎鎮痛薬、抗生物質など、何らかの医薬品で起きる場合があります。
運動失調【平成22年3月厚労省】
手足の動きがぎこちない、箸がうまく使えなくなった、ろれつがまわらない、ふらつく、まっすぐに歩けない
睡眠薬、抗不安薬、抗うつ薬、抗てんかん薬、抗がん剤など、何らかの医薬品で起きる場合があります。
頭痛【平成22年3月厚労省】
タイプ1)医薬品の使用後すぐに起こる拍動性のズキズキ、または片頭痛や緊張型の頭痛
硝酸薬(狭心症薬)の使用で起きる場合があります。
タイプ2)医薬品を複数回使用後に起こる頭痛
鎮痛薬(片頭痛、緊張型頭痛)で起きる場合があります。
急性散在性脳脊髄炎【平成23年3月厚労省】
頭痛、発熱、嘔吐、意識が混濁する、目が見えにくい、手足が動きにくい、歩きにくい、感覚が鈍いなど
ワクチン接種後(主に1〜4週間後)に起きる場合があります。
無菌性髄膜炎【平成23年3月厚労省】
発熱(40度ぐらいの高熱)、頭痛、気分が悪い、吐き気、うなじがこわばり固くなって首を前に曲げにくい、意識が薄れるなど
主に解熱鎮痛薬、抗生物質、市販薬(解熱鎮痛薬)など、また、おたふく風邪のワクチン、何らかの医薬品で起きる場合があります。
小児の急性脳症【平成23年3月厚労省】
乳幼児のケイレンが5分間以上止まらなかった場合、ケイレンが止まった後意識がなくずっとぐったりしている、ケイレンが起きなくてもいつもと違った意味不明な言動やぐったりしている場合は、危険な状態。
すぐに救急車を呼ぶ。
熱さまし(アスピリンなど)、かぜ薬(抗ヒスタミン薬を含む)、ぜんそく薬(気管支を広げる)、てんかん治療薬、免疫抑制剤などの一部の医薬品で起きる場合があります。
【卵巣】 副作用の症状が主に卵巣にみられる初期症状とお薬の関係
まれに起きる副作用、その初期症状を知り早めに気づき、医師あるいは薬剤師にご連絡ください。
その場合、服用した医薬品の種類、服用してからどのくらい経過したかなどお伝えください。
卵巣過剰刺激症候群【平成23年3月厚労省】
お腹が張る、吐き気がする、急に体重が増えた、尿量が少なくなる
排卵誘発薬(不妊治療)で起きる場合があります。
【精神】 副作用の症状が主に精神にみられる初期症状とお薬の関係
まれに起きる副作用、その初期症状を知り早めに気づき、医師あるいは薬剤師にご連絡ください。
その場合、服用した医薬品の種類、服用してからどのくらい経過したかなどお伝えください。
悪性症候群【平成20年4月厚労省】
他の原因がなく37.5度以上の高熱が出る、汗をかく、ぼやっとする、手足が震える、身体のこわばり、話しづらい、ヨダレが出る、飲み込みにくい、脈がはやくなる、呼吸数が増える、血圧が上昇する
精神神経用薬(主に抗精神病薬)、何かの医薬品で起きる場合があります。
薬剤惹起性うつ症【平成20年6月厚労省】
眠れなくなった、物事に興味がなくなった、不安やイライラが出た、いろんなことが面倒になった、食欲がなくなった、気分が落ち込んだ
インターフェロン製剤、副腎皮質ステロイド薬など、何かの医薬品で起きる場合があります。
アカシジア【平成22年3月厚労省】
体や足がそわそわしたりイライラしてじっと座っていたり横になったりできず動きたくなる、じっとしておれなく歩きたくなる、体や足を動かしたくなる、足がムズムズする感じ、じっと立っていられず足踏みをしたくなる、貧乏ゆすり、ベットの上での体動の繰り返し、理由なくイライラ動き回るなど
精神科薬(とりわけ抗精神病薬)、抗うつ薬、胃腸薬などの医薬品で起きる場合があります。
自己判断で服薬を中断したり、そのままにしないでください。
セロトニン症候群【平成22年3月厚労省】
不安、混乱する、イライラする
興奮する、動き回る、手足が勝手に動く、眼が勝手に動く、震える、体が固くなる、汗をかく、発熱、下痢、脈が速くなるなど
精神科薬(特に抗うつ薬)など、何らかの医薬品で起きる場合があります。
新生児薬物離脱症候群【平成22年3月厚労省】
赤ちゃんにぐったりしている状態や手足をブルブルふるったりする状態があらわれる
薬の影響が強いとケイレンや息を止めるなどの一時的な症状が出る
出産の時期が近づいてから抗ケイレン薬、精神科薬(不安感などを和らげる)を使用した母親から生まれた赤ちゃんに起きる場合があります。
また、嗜好品でも起きる場合があります。
【代謝・内分泌】 副作用の症状が主に代謝・内分泌にみられる初期症状とお薬の関係
まれに起きる副作用、その初期症状を知り早めに気づき、医師あるいは薬剤師にご連絡ください。
その場合、服用した医薬品の種類、服用してからどのくらい経過したかなどお伝えください。
偽アルドステロン症【平成18年11月厚労省】
手足のだるさ、しびれ、つっぱり感、こわばり
力が抜ける、こむら返り、筋肉痛、だんだんきつくなる
主に甘草やその主成分であるグリチルリチンを含む漢方薬、かぜ薬、胃腸薬、肝臓病の薬、市販薬など、何らかの医薬品で起きる場合があります。
甲状腺中毒症【平成21年5月厚労省】
動悸、頻脈、手足のふるえ、食欲があるのに体重が減少、汗が多い・暑がり、全身倦怠感、疲労感、神経質で気分がイライラする、微熱
上記の症状が自然に軽減したのち、「甲状腺機能低下症」に移行することがあります。
何らかの医薬品で起きる場合があります。
甲状腺機能低下症【平成21年5月厚労省】
前頸部の腫れ、元気がない、疲れやすい、まぶたが腫れぼったい、寒がり、体重増加、動作がおそい、いつも眠い、物覚えが悪い、便秘、かすれ声
甲状腺ホルモンの過剰な症状にひきつづき「甲状腺機能低下症」が起きる場合があります。
ヨード含有医薬品、リチウム製剤、インターフェロン製剤など、また、甲状腺ホルモン製剤服用中に他の医薬品を服用など、何らかの医薬品で起きる場合があります。
高血糖【平成21年5月厚労省】
口渇、多飲、多尿、体重減少など、これらの症状が急に現れたり持続したりする
症状がみられない場合もある。
副腎皮質ステロイド薬、インターフェロン製剤、高カロリー輸液など、何らかの医薬品で起きる場合があります。
低血糖【平成23年3月厚労省】
冷や汗が出る、気持ちが悪くなる、急に強い空腹感をおぼえる、寒気がする、動悸がする、手足が震える、目がちらつく、ふらつく、力のぬけた感じがする、頭痛、ぼんやりする、目の前が真っ暗になって倒れそうになるなど、急に現れたり持続したりするが食事をすると改善する
ボーとしている、うとうとしている、いつもと人柄の違ったような異常な行動をとる、訳のわからないことを言う、ろれつがまわらない、意識がなくなる、ケイレン
症状がみられない場合もある。
インスリン注射、経口糖尿病治療薬(飲み薬)で多くみられる。
その他の医薬品で起きる場合があります。
【過敏症】 副作用の症状が主に過敏症としてみられる初期症状とお薬の関係
まれに起きる副作用、その初期症状を知り早めに気づき、医師あるいは薬剤師にご連絡ください。
その場合、服用した医薬品の種類、服用してからどのくらい経過したかなどお伝えください。
アナフィラキシー【平成20年3月厚労省】
皮膚のかゆみ、じんましん、声のかすれ、くしゃみ、喉のかゆみ、息苦しさ、動悸、意識の混濁など
息苦しい時には、救急車などですぐに受診してください。
造影剤、抗がん剤、解熱消炎鎮痛薬、抗菌薬、血液製剤、生物由来製品、卵や牛乳を含む医薬品(塩化リゾチーム、タンニン酸アルブミンなど)、何らかの医薬品で起きる場合があります。
血管性浮腫【平成20年3月厚労省】
急に唇・まぶた・舌・口の中・顔・首が大きくはれる、喉のつまり、息苦しい、話しづらい
息苦しい時には、救急車などですぐに受診してください。
解熱消炎鎮痛薬、ペニシリン、降圧薬(アンジオテンシン変換酵素阻害薬など)、線溶系酵素、経口避妊薬(飲み薬)など、何かの医薬品で起きる場合があります。
喉頭浮腫【平成20年3月厚労省】
喉のつまり、息苦しい、息を吸い込むときにヒューヒューと音がする
息苦しい時には、救急車などですぐに受診してください。
高血圧薬(アンジオテンシン変換酵素阻害薬など)、解熱消炎鎮痛薬、抗生物質など、何かの医薬品で起きる場合があります。
非ステロイド性抗炎症薬による蕁麻疹/血管性浮腫【平成20年3月厚労省】
急に唇・まぶた・舌・口の中・顔・首が大きくはれる、喉のつまり、息苦しい、話しづらい
息苦しい時には、救急車などですぐに受診してください。
非ステロイド性抗炎症薬(解熱消炎鎮痛薬)で、起きる場合があります。
【口腔】 副作用の症状が主に口腔にみられる初期症状とお薬の関係
まれに起きる副作用、その初期症状を知り早めに気づき、医師あるいは薬剤師にご連絡ください。
その場合、服用した医薬品の種類、服用してからどのくらい経過したかなどお伝えください。
ビスホスホネート薬剤による顎骨壊死【平成21年5月厚労省】
口の中の痛み、特に抜歯後の痛みがなかなか治らない、歯茎に白色あるいは灰色の硬いものが出てきた、アゴが腫れてきた、下唇がしびれた感じがする、歯がぐらついてきて自然に抜けた
ビスホスホネート系薬剤の治療中に起きる場合があります。
薬物性口内炎【平成21年5月厚労省】
高熱(38度以上)、目の充血、口の中や唇のただれ、喉の痛み、皮膚が広い範囲にわたり赤くなるなど、これらの症状が持続したり、急激に悪くなったりします
多くが医薬品によるものと考えられています。
抗菌薬、解熱消炎鎮痛薬、、抗てんかん薬、かぜ薬などの市販薬など、何らかの医薬品で起きる場合があります。
抗がん剤による口内炎【平成21年5月厚労省】
口の中の痛み、出血、熱いものや冷たいものがしみる、口の乾燥、口の中が赤くなったり腫れる、口が動かしにくい、ものが飲み込みにくい、味が変わる
抗がん剤治療中、発生頻度は3〜4割りと比較的高い副作用です。
【骨】 副作用の症状が主に骨にみられる初期症状とお薬の関係
まれに起きる副作用、その初期症状を知り早めに気づき、医師あるいは薬剤師にご連絡ください。
その場合、服用した医薬品の種類、服用してからどのくらい経過したかなどお伝えください。
骨粗鬆症【平成21年5月厚労省】
身長が2cm以上低くなった、背中が丸くなった
過去に背骨や大腿骨の付け根、骨盤、手首、肩などに骨折をしたことがある。経口ステロイド薬(飲み薬)を毎日三ヶ月以上使用(予定)している。経口ステロイド薬(飲み薬)を使用して背中や腰の痛み、大腿骨の付け根の痛み、下肢のしびれや力が入りづらいことがある
経口ステロイド薬(飲み薬)、メトトレキサート、ヘパリン製剤、ワルファリン、抗てんかん薬、リチウム製剤、性腺刺激ホルモン放出ホルモン作動薬(子宮筋腫・子宮内膜症・前立腺肥大鎮痛薬)、タモキシフェン(乳がん治療薬)、アロマターゼ阻害薬(乳がん治療薬)などで起きる場合があります。
突発性大腿骨頭壊症【平成23年3月厚労省】
大腿骨の付け根あたりに痛みがある、膝あるいは臀部あたりに痛みがある
原因は不明であるが、ステロイド薬の使用、アルコールの多飲との関連が指摘されています。
【泌尿器】 副作用の症状が主に泌尿器にみられる初期症状とお薬の関係
まれに起きる副作用、その初期症状を知り早めに気づき、医師あるいは薬剤師にご連絡ください。
その場合、服用した医薬品の種類、服用してからどのくらい経過したかなどお伝えください。
尿閉・排尿困難【平成21年5月厚労省】
おしっこがしたいのに出ない、おしっこの勢いが弱い、おしっこをしている間に何度も途切れる、おしっこが出るまでに時間がかかる、おしっこを出すときにお腹に力を入れる必要がある、おしっこをした後にまだ残っている感じがあるなど、これらの症状が急に強く感じたり持続したりする
おしっこが出ない場合には、病院へ急いで向かってください。
主に抗ムスカリン様作用を有する薬物を含む過活動膀胱治療薬、胃腸薬、下痢止め薬、抗精神病薬・抗うつ薬、抗不整脈薬、かぜ薬などの市販薬など、何らかの医薬品で起きる場合があります。
出血性膀胱炎【平成23年3月厚労省】
おしっこが赤味を帯びる(血液が混ざっている)、おしっこの回数が増える、排尿時に痛みがある、おしっこが残っている感じがする、これらの症状が急に現れたり持続したりする
多くは抗がん剤、免疫抑制薬
抗アレルギー薬、抗生物質、漢方薬など、何らかの医薬品で起きる場合があります。
【眼】 副作用の症状が主に感覚器(眼)にみられる初期症状とお薬の関係
まれに起きる副作用、その初期症状を知り早めに気づき、医師あるいは薬剤師にご連絡ください。
その場合、服用した医薬品の種類、服用してからどのくらい経過したかなどお伝えください。
網膜・視路障害【平成21年5月厚労省】
視力が下がる、近くのものに焦点が合いにくい、色がわかりにくい、暗くなると見えにくくなる、視野が狭くなる、視野の中に見えない部分がある、光が見える、ものがゆがんで見える、これらの症状が持続あるいは急激に悪化する
何らかの医薬品で起きる場合があります。
緑内障【平成21年5月厚労省】
急に発症(遠視、中高年女性がなりやすい):目の充血、目の痛み、目のかすみ、頭痛・吐き気
慢性に進行:初期は軽微な症状で進行すると視野の中に見えない部分がある、視野が狭くなる
かぜ薬(総合感冒薬)、アレルギー薬、何らかの医薬品(点眼薬、軟膏も含む)で起きる場合があります。
角膜混濁【平成23年3月厚労省】
目のかすみ、充血、異物感、まぶしさ、これらの症状が出るまでに早くて数日遅いものでは一ヶ月以上の場合がある
点眼薬、内服薬で起きる場合があります。
【耳】 副作用の症状が主に感覚器(耳)にみられる初期症状とお薬の関係
まれに起きる副作用、その初期症状を知り早めに気づき、医師あるいは薬剤師にご連絡ください。
その場合、服用した医薬品の種類、服用してからどのくらい経過したかなどお伝えください。
難聴【平成22年3月厚労省】
聞こえづらい、ピーやキーンという耳鳴りがする、耳が詰まった感じがする、ふらつく
アミノグリコシド系抗菌薬(ストレプトマイシン、カナマイシン、ゲンタマイシン)、抗がん剤(シスプラチン)、サリチル酸剤解熱消炎鎮痛薬(アスピリン等)、ループ利尿薬(フロセミド等)など、何らかの医薬品(注射剤も含む)で起きる場合があります。
【口】 副作用の症状が主に感覚器(口)にみられる初期症状とお薬の関係
まれに起きる副作用、その初期症状を知り早めに気づき、医師あるいは薬剤師にご連絡ください。
その場合、服用した医薬品の種類、服用してからどのくらい経過したかなどお伝えください。
薬物性味覚障害【平成23年3月厚労省】
味を感じにくい、嫌な味がする、食べ物の味が変わった、食事が美味しくなくなった
何らかの医薬品で起きる場合があります。
高齢者に多くみられる。
【手足】 副作用の症状が主に手足にみられる初期症状とお薬の関係
まれに起きる副作用、その初期症状を知り早めに気づき、医師あるいは薬剤師にご連絡ください。
その場合、服用した医薬品の種類、服用してからどのくらい経過したかなどお伝えください。
抗がん剤による手足症候群【平成22年3月厚労省】
手足のしびれや痛みなど感覚異常、手足の皮膚の赤味(発疹、紅斑)やむくみや色素沈着や角化(硬く厚くガサガサする状態)、ひび割れ、水ぶくれ、爪の変形や色素沈着
抗がん剤で主に乳がん、大腸がん、婦人科のがん、腎臓がんに用いられている一部の医薬品で起きる場合があります。
以上、重篤副作用疾患別対応マニュアルから初期症状と医薬品の関係を抜粋しました。